計算上、超大型旅客機A380の離着陸が可能な長さだが、同空港のターミナルは、滑走路の規模に比べると小さく年間旅客処理能力はわずか120万人。中部空港の1700万人に比べると、いかに規模が小さいかがわかる。
中部空港の2015年夏ダイヤによると、国際線は週296便、国内線は1日77便が運行中だ。一方、元山空港は平壌からの国内線チャーター便のみ。それも、乗客がいるときだけ運行される。
平壌国際空港の滑走路は3800メートルだが、離着陸する最大の旅客機は座席数210の「ツポレフ204」で、1日わずか3便ほどだ。これは2000メートルの滑走路を持つ山形県の「庄内空港」と同じ規模だ。
そもそも、拡張の出発点である「金剛山観光プロジェクト」自体が、見通しがたっていない。金正恩氏の空港建設計画が、いかに現状に合っておらず、プロパガンダに過ぎないかがよく現れている。しかし、それに懲りずに、新たな国際空港の建設を計画している。