欧米諸国ではクリスマス、日本では正月を前にして、犯罪が増える傾向がある。北朝鮮と中国の国境地帯でも、秋夕(旧盆:2015年は9月27日)を迎え、北朝鮮人による犯罪が多発している。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が現地情報筋の話しを基にレポートした。

恵山市の金正淑芸術劇場(本文とは関係ありません)
中国の長白県から見た北朝鮮の恵山市

北朝鮮両江道(リャンガンド)在住のRFAの現地情報筋は、「北朝鮮の両江道と中国吉林省長白朝鮮族自治県は、鴨緑江を挟んで向かい合っているが、双方の国境警備隊の間で殺伐とした雰囲気が漂っている。中国の国境警備隊は北朝鮮側に機関銃を向けて動向を鋭意注視している状態だ」と語った。

中国長白県の住民の間では、北朝鮮の国境警備隊の横暴と川を越えてくる犯罪者の増加によって、北朝鮮に対する評判がすこぶる悪化しているという。

恵山(ヘサン)の市街地と向かい合っている長白県の両江村では、18日に、北朝鮮の密輸業者から金を受け取っていた中国の貿易業者が、北朝鮮の国境警備隊に銃撃される事件が発生。北朝鮮国境警備隊の兵士4人は越境して中国側に入り、中国人貿易業者の乗ったワンボックスカーに銃撃を加えた。怪我人はなく、北朝鮮の密輸業者3人は、銃弾を避けて山の中に逃走した。

長白県の北側にある大梨樹村では、鴨緑江で魚を取っていた中国人が北朝鮮国境警備隊に銃撃され死亡する事件が起きている。これ以外にも、長白県郊外では、北朝鮮人による強盗事件が多発している。

テーマパーク「長白朝鮮民俗村」があり比較的裕福な長白県の果園村。ここでも、越境した北朝鮮人による強盗事件が相次いだ。

19日には、3人男性が村の中国人家に押し入り、現金数百元、砂糖、肉類を盗んで逃げた。20日午後7時ごろには、一人暮らしの老女の家に押し入り、食べ物と衣類を盗んで逃げた。村人たちは自衛団まで結成して、北朝鮮からの強盗の襲来に警戒している。

北朝鮮人による犯罪増加は、長白県住民の怒りと復讐心を呼び起こし、「北朝鮮の密輸業者でさえも、現地住民を恐れて越境することを避けているようだ」と情報筋は伝えた。

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