5月初頭、北朝鮮全土で7歳未満の子どもたちの間で皮膚病が流行した。子どもたちのなかには、高熱で免疫が落ちたために結核にかかり、死亡する事例も発生。事態を重く見た北朝鮮保健当局が、緊急調査を行ったところ、原因不明の皮膚病、めまいの原因が「シラミ取り石鹸」の使用にあると見て、使用禁止令が下された。
取り締まりには、人民保安部(警察)も乗りだし、市場で「シラミ取り石鹸」を没収し、販売した者を逮捕、流通させた者の追跡をしている。逮捕された商人は、中国人民元で3000元(約5万6000円)もの高額の罰金を支払わされたことから、「自分たちも被害者」だと訴えているという。
RFAの情報筋は、石鹸の出処や製造糧について明らかにしていないが、石鹸は中国製ではなく、中国から輸入した殺虫剤を使って「民間石鹸製造業者」が作ったと見られる。
ここ最近、日韓だけでなく中国でも「食の安全」を守るため「製造者責任」などが厳しく問われるが、北朝鮮では、明確な安全基準がなく、審査もされないため、こうした事故が多発したと見られる。