安全保障関連法案が17日、参議院の特別委員会で自民・公明両党と次世代の党などの賛成多数で可決されました。与党側は、18日にも参議院本会議で可決して成立を図る方針。

安倍晋三首相は、新たな安保法制が必要となる根拠のひとつとして北朝鮮の核・ミサイル開発などの動向を挙げている。

安倍氏が6月26日、衆議院の「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」で語った内容は次のとおり。

「かつては冷戦構造が存在をしたわけでございまして、米国とソビエト、この超両大国のパワーバランスがございました。その後、冷戦構造が崩壊をして米国一強と言われた時代もございましたが、近年、アジア太平洋地域を含むグローバルなパワーバランスの変化が起きているわけでございます。

そしてまた、今委員が紹介をされましたように、北朝鮮は、日本の大半を射程に入れている数百発もの弾道ミサイルを配備しています。そして、それに載せる核兵器の開発を進めているという状況であります。

そしてまた、自衛隊のスクランブルの回数は10年前と比べて七倍にふえておりますし、我が国周辺における中国軍やロシア軍の活動が大いに活発化しているのも事実でございます。

また、東シナ海においては中国が公船による領海侵入を繰り返していますし、南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋め立てを一方的に進行しているわけでございます。

こうした中におきましては、まさに各国が協力をしていかなければならないわけであります。協力をしていくことによって、法の支配を確かなものとし、紛争を未然に防いでいく、そのための抑止力を確かなものとしていかなければならないと思います。

また、アルジェリア、シリアそしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となるなど、ISILを初めとして暴力的な過激主義が台頭しております。

このような日本を取り巻く安全保障環境は、昭和47年に政府見解がまとめられたときから大きく変化をしているわけでありまして、今や脅威は容易に国境を越える時代になっている、であるからこそ、各国がお互いに協力し合う、自分の能力を生かして協力し合うことが求められているわけでありますし、そのことによって我が国はより安全になっていくということではないかと思います。

例えば、日本のため公海上で警戒監視の任務に当たっている米艦が、米軍が武力攻撃を受けても、日本自身への武力攻撃がなければこれを守ることができない。我が国近隣で紛争が発生し、取り残された多数の邦人を米国の船舶が輸送している際に、その船舶に対して武力攻撃がなされても日本人を守ることはできない。また、 PKO参加中に自衛隊の近傍で我が国のNGOが武装集団に襲われた場合でも、自衛隊は駆けつけて救援できないということであります。

果たしてこれでいいのか。常に私たちは、日本国民の命、幸せな暮らしを守る、その義務の中において何をすべきか、何が可能かということを考え抜く責任があるわけであります。

その中で、十分な時間をかけて党内で、そして与党内で議論を重ね、昨年七月の一日に閣議決定を行い、今般法律を提出させていただいたところでありますが、まさに切れ目のない対応を可能とし、そしてそのことによって国民の命と幸せな暮らしを守る、領土、領海、領空をしっかりと守り、未然に紛争を防ぐ、そのための法制でございます」

    関連記事