発展途上国では一般的に、合計特殊出生率が高い数値を示しており、国民の平均年齢は高いまま保たれている。ところが、北朝鮮では閉鎖的な社会での子育てをきらい、人々が子供をたくさん持とうとしないのだ。
北朝鮮の少子高齢化に対しては金正恩氏も危機感を持ち、国家や党の幹部たちに「子作りに励め」とハッパをかけてきた。
しかし、いくら正恩氏が声高に叫んでも、肝心の女性らが「出産拒否」で抵抗しており、状況はなかなか変わらないだろう。
北朝鮮の少子高齢化が解消されるには、大幅な改革開放が必須であると考えられる。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。