ちなみに、2000年の児童死亡率の数値が高いのは、90年代半ばからの「苦難の行軍」と呼ばれた食糧難の影響だろう。この時期、多くは300万人、少なくとも数十万人とも言われる餓死者が発生。生き延びた子供たちも発育に大きく影響を受けており、「アジアの強国」として知られた北朝鮮スポーツにもかなりの影響を与えたと言われている。
もっとも、児童死亡率が改善しているにもかかわらず、北朝鮮の人口は大きくは伸びるどころか、いずれ減少に転じる可能性が高い。
国連経済社会局(UNDESA)が7月29日に発表した「世界人口展望2015年度版」よると、北朝鮮の人口は現在2520万人で当面の間は増加を続けるが、遠からず減少に転じると予想されている。
理由は、少子高齢化にある。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が7%を超えると「高齢化社会」となるが、北朝鮮はすでに12.5%に達している。参考までに、日本は23%で「超高齢社会」となっている。