北朝鮮とシリアの軍事的なつながりは深い。4月には、北朝鮮の朝鮮人民軍の軍人と推測される人物がシリア政府寄りの民兵隊員として活動中に反政府軍の捕虜となったと、聯合ニュースなど韓国の各メディアが報じている。
また、金日成主席は第4次中東戦争の際、エジプトとシリアに朝鮮人民軍の戦闘機パイロットを派兵。イスラエル空軍と死闘を演じさせた歴史もある。
加えて言うなら、ロシアが最近、アサド政権に加勢してシリア内戦に軍事介入している事実が浮上している。プーチン政権のそうした姿勢は、北朝鮮に対するロシアの接近にも共通する。
北朝鮮とシリアの関係を注視していきたい。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。