さらに、電気の供給も相変わらず非常に不安定だ。多くの住民は、窓際にソーラーパネルを設置して、電灯やテレビの電力に使っている。家のなかの電力なら数枚のパネルでなんとかなるが、共用スペースは国の電力が不可欠だ。つまり、エレベーターはあっても「使えない」ということになる。
こうしたなか、仮に市内中心部に建設中のマンションが完成しても似たような状況になり、まともに住めないのではないかと危惧する声が多い。
平壌で、停電が頻繁に起こるのは、同市に電気を供給するために建設された煕川(ヒチョン)水力発電所が渇水によりまともに稼働できていないからだ。
ある市民は「このままでは『第2の光復通り』になりかねない」と語った。光復通りとは、1989年に行われた第13回世界青年学生祝典を合わせて平壌の西の郊外に作られた高層マンション群である。