朝鮮半島では、かつて家屋の壁を石灰、黄土、粘土などを混ぜた「三合土」を塗ることが一般的だった。韓国では一部の伝統家屋を除いて姿を消していたが、最近あえて伝統家屋を建てることが増えている。また、体にいいとして、黄土を混ぜた壁材を使うことも多い。

夏の北朝鮮の農村(画像:Clay Gilliland)
夏の北朝鮮の農村(画像:Clay Gilliland)

「三合土」は、セメントが不足している北朝鮮では、まだまだ現役だ。特に最近、発生した水害被災地では、修復に必要な建築資材が不足しているため、三合土は欠かせない。

慈江道(チャガンド)の内部情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に「農村では、家を建てる時、壁は三合土を使い、家の床はセメントで塗り固めるのが一般的だったが、資材の不足で床にも三合土を使っている状況だという。しかし、丈夫ではなく、ホコリも立ちやすいため、体にいいとは言えない」と語った。

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「三合土が、柔で体に悪いというのは誤解だ」と反論する。石灰、黄土、粘土の配合比率をうまく調節すればセメントより保温性が高く、健康にもよい上に、とても品の良い壁に仕上がるとのことだ。

しかし、その配合の「黄金率」は、一部の技術者の間だけに伝わる秘伝で、誰でも教えてもらえるものではない。そこで、注文をする家は、技術者を呼んで食事と酒でもてなしたうえで、壁を仕上げてもらうというわけだ。こうして北朝鮮では、伝統的な「三合土」の技術が受け継がれているという。

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