慈江道(チャガンド)の内部情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に「農村では、家を建てる時、壁は三合土を使い、家の床はセメントで塗り固めるのが一般的だったが、資材の不足で床にも三合土を使っている状況だという。しかし、丈夫ではなく、ホコリも立ちやすいため、体にいいとは言えない」と語った。
一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「三合土が、柔で体に悪いというのは誤解だ」と反論する。石灰、黄土、粘土の配合比率をうまく調節すればセメントより保温性が高く、健康にもよい上に、とても品の良い壁に仕上がるとのことだ。
しかし、その配合の「黄金率」は、一部の技術者の間だけに伝わる秘伝で、誰でも教えてもらえるものではない。そこで、注文をする家は、技術者を呼んで食事と酒でもてなしたうえで、壁を仕上げてもらうというわけだ。こうして北朝鮮では、伝統的な「三合土」の技術が受け継がれているという。