実際、朝鮮総連関係者が今回の同様の疑いを受けているとの情報は以前からあり、6月には警視庁公安部外事2課が、朝鮮大学校の教員宅を捜索している。
だが、警察当局のねらいが、詐欺事件の摘発だけであるとは限らない。たとえば捜索を受けた朝鮮大学校の教員は、韓国で摘発された北朝鮮のスパイ事件との関連が指摘されている。
警察庁は1993年、「北朝鮮への不正送金対策推進計画」と題された極秘の総連捜査マニュアルを作成している。そこでは、朝鮮総連の深部にまで捜査の手を伸ばすため、まずは「入口事件」を確保すべしとの手順が述べられており、最近の一連の動きがそれに当たる可能性は否定できない。