中国遼寧省の瀋陽市と丹東市を結ぶ高速鉄道が1日、開通した。瀋陽市は、遼寧省を代表する大都市であり、丹東市は中朝交易の一大拠点だが、開通によって、中国内陸部と中朝国境の物流もスムーズになることが予想される。

高速鉄道は2010年に着工、5年の工期を経て開通に至った。路線の延長は207キロで、3時間半かかっていた瀋陽ー丹東間がわずか1時間10分に短縮される。また、大連、ハルビン、長春などの東北地方の大都市はもちろん、北京、上海などの巨大都市とも高速鉄道で結ばれることになる。

注目すべきは、今回の高速鉄道に加えて吉林省の吉林から延吉、図們を経て琿春を結ぶ「吉琿高速鉄道」が予定通り10月に開通すると、中朝国境の西端の丹東と東端の延吉の所要時間が5時間半になる点だ。

新たな鉄道開通の背景には、中国政府の対北朝鮮ビジネス戦略があるようだ。

ここ最近の中国企業の対北ビジネスモデルは、投資条件の整っていない北朝鮮に直接進出するのではなく、中朝国境の中国側の経済特区で、北朝鮮の安価な労働力を利用する「労働集約型」だ。

中国政府も、こうしたビジネスモデルが、北朝鮮の経済改革を促進すると見て、中朝国境のインフラ整備を行っている。高速鉄道の開通もその一環だ。政治的に関係が冷え込んでいる中朝関係だが、経済関係は、活発化すると見られる。