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一方、こうしたビジネスが拡散するに従い、「鉱山利権」を巡る血なまぐさい事件も起きている。

少し前には、中朝国境に面した咸鏡北道恩徳(ウンドク)郡の村で、地元住民と流れ者の一団との間で大規模な乱闘が発生。ツルハシやシャベルで頭を叩き割られるなどした数人が死に、数十人が負傷したとされる。

どうやら、流れ者たちはマフィア化したトンジュに雇われていたようで、地元住民から炭鉱利権を強奪しようとして抵抗に遭ったらしい。また、同じ咸鏡北道では利権を握る当局者が惨殺される事件が相次いでいるが、犯人は捕まっていないという。

やはりマフィア化したトンジュらが「殺し屋」を雇い、自分の言うことを聞かない当局者を葬り去っているようだ。10万人単位の特殊部隊出身者が巷にあふれる北朝鮮では、腕利きの「殺し屋」を雇うことなど簡単なのかも知れない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記