今月4日、中国・北京で開かれる抗日戦争勝利70周年行事に中国側は、金正恩第1書記を招請していたが、崔龍海(チェ・リョンヘ)氏が派遣されることとなった。

当初から「金正恩氏は、訪中しないだろう」と見られていたが、実は一旦は参加を検討。しかし、中国側にある「無理なこと」を要求をしたが、無下に断られ欠席に至ったとデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

金正恩氏が上ることを要求した天安門(画像:Audrey)
金正恩氏が上ることを要求した天安門(画像:Audrey)

「金正恩氏は、北京の天安門の壇上に上がり、習近平国家主席の隣で軍事パレードを観覧することを要求した。中央政府の幹部は中国側にこうした要求を繰り返したが、中国側に拒否されたと住民たちは話している」

そう語るのは平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋だ。情報筋によると、5月の訪ロ取りやめも同様の理由だという。

20130728労働新聞金正恩閲兵式

北朝鮮国内で開かれる大型行事に金正恩氏が参加する場合、主席壇と呼ばれる建物の中央に設置されたベランダのど真ん中から参観する。しかし、外国ではそうも行かない。

金正恩氏が外国訪問すれば、世界から注目を集めることは間違いない。仮に、主席壇の端、または観客席に正恩氏が追いやられた姿が全世界に発信されると、最高尊厳の威厳が揺らぎ、北朝鮮国内に悪影響が出る。

すでに、大多数の北朝鮮住民が、「先軍朝鮮の指導で地球が回る」「金正恩氏は全世界から熱烈に賞賛されている」という当局のプロパガンダを信用していない。とはいえ、金正恩氏が中国で冷遇を受けている姿を実際に目にすれば、忠誠心がさらに低下しかねないと北朝鮮側が判断し、訪中しないことを決定したようだ。

また、中国の習近平国家主席は、金正恩氏より韓国の朴槿恵大統領と仲がよいことは北朝鮮でもよく知られており、これも訪中にストップがかかった一因だと情報筋は語った。

ちなみに、2008年8月の北京オリンピック開幕式には、金正日氏の代わりに対外的には国家元首扱いの金永南(キム・ヨンナム)氏が参加したが、中央の壇上ではなく観客席に座らされた。その光景を見せつけられた北朝鮮住民たちからは「我が国はそんなに人気がないのか」と失望の声が上がったという。

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