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一方、事件を聞いた金正恩氏は「茂山一帯の河原を鉄条網で完全封鎖せよ」という指示を下すだけでなく、国境警備隊は夏季訓練の終了を早め、鉄条網の設置作業に乗り出した。また、軍関連の工場は、他の仕事そっちのけで、セメント、鉄鋼など鉄条網用の資材製造に全力を上げている。

しかし、現場では「2家族が同時に脱北したところを見ると目的地はおそらく韓国」「特別警戒期間の今、捕まれば重罪は免れないので、危険な中国には長居せず、とっくに韓国に着いているだろう」との見方が広がり、あきらめムードが漂っているという。

当局が、住民の脱北に戦々恐々とするなか、さらなる脱北が発生した。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、同じ茂山で16日に一家5人が脱北する事件が発生した。軍当局は、国境警備隊の幹部が関与していると見て捜査に乗り出したが、住民たちは「今更騒いでも後の祭り」だと鼻で笑っているという。