8月1日から9日まで、中国・武漢で開催されたサッカー東アジア杯で、北朝鮮代表を応援する「美女応援団」が登場したが、彼女たちが中国国内の北朝鮮レストランで働く奉仕員(従業員)だったことが米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道によって明らかになった。

北朝鮮サッカー代表に熱烈な声援を送る北朝鮮応援団/東アジアサッカー連盟公式サイトよりキャプチャー
北朝鮮サッカー代表に熱烈な声援を送る北朝鮮応援団/東アジアサッカー連盟公式サイトよりキャプチャー

大会で北朝鮮代表女子は全勝で優勝。男子は3位で大会を終えた。試合会場で、北朝鮮代表に熱烈に声援を送る美女応援団が見られたが、同時期に、一部の北朝鮮レストランが「店を閉じていた」と中国・丹東のRFAの現地消息筋は伝える。

「北朝鮮レストランが急に門を閉じて、従業員たちがバッグをもってどこかに行ってしまった。てっきり経営がうまくいかずに、本国に撤収するのかと思っていたら、約一週間後に戻ってきてレストランも再開。後にわかったことだが、アジア杯の応援に行っていたらしい」

北朝鮮レストランが集中する丹東や瀋陽などから、中国湖北省武漢の大会会場まで、移動に20時間以上もかかるため、約一週間という長期間の一時営業休止となったようだ。

「丹東の北朝鮮領事部は、閑古鳥が鳴いているレストランを選んで応援団として派遣した。派遣されなかったレストランでは、応援団の旅費として従業員から500元ずつ徴収された」(丹東の情報筋)

瀋陽在住の対北情報筋も、「北朝鮮レストランが約一週間、営業を休止してサッカーの応援に派遣されたと聞いた。わざわざ遠く離れた場所にまで派遣するぐらいだから、北朝鮮も大会に大きな期待をしていたようだ」と述べた。

同時に、サッカー大会の応援のために一週間も営業休止するのは「異例なこと」だとこの消息筋は述べる。

「金正日総書記が死亡した時でも、営業休止はわずか3日間だけった。あまり休まない北朝鮮レストランが一週間も休店するのを見るのははじめてだ」

応援団として派遣された従業員は、生まれて初めて中国の内陸奥深くまで旅行したことから、大喜びだったという。その一方で、派遣されなかったレストランの従業員たちは、「どうして、私たちが行けなかったの?!」とレストラン支配人にクレームをつけているとのことだ。

派遣された美女応援団は、白い帽子と赤いTシャツ、白いズボンなどの団体応援服を着て、特大の共和国旗(北朝鮮国旗)を翻しながら応援を繰り広げ、中国の観衆からも注目された。

しかし、サッカー競技の応援に便乗して、金正恩第一書記の大型肖像画や中朝親善など政治的な横断幕を掲げ、中国公安当局によって撤去される場面もあった。こうした空気の読めない応援の様子は、中国メディアにも報道され失笑を買ったという。

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