80年代初め、韓国、台湾、マレーシアではビデオデッキが日本以上に普及して、街にはレンタルビデオ店があふれた。背景には、政府が検閲した「テレビコンテンツがつまらない」という理由があった。これは北朝鮮も同じだ。
いくら韓流ドラマに対する取り締まりが強化されようと、一向になくならず、住民が危険を顧みず見ようとするのは「国営テレビのコンテンツがつまらない」の一言に尽きる。また、住民達が好む「北朝鮮ドラマ」は、政治色が比較的薄いものだ。
北朝鮮住民が好む「テレビコンテンツ」について、最近、訪朝した日本人旅行者は次のように語った。
「歌番組が始まるとガイドやホテルの従業員が、テレビの前に集まり『この娘は歌がうまい』だの『美人』だのと盛り上がりますが、終わった途端に蜘蛛の子を散らすようにテレビの前からいなくなりました」