北朝鮮では、出産をめぐる認識や社会情勢の変化、そして生活苦から中絶を望む女性が増加。しかし、人口を増やしたい当局は中絶を規制しようとする。こうしたなか、医大生がバイトで「違法な中絶手術」にいそしんでいるとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、90後半から続く慢性的な経済難を背景に、社会的に「出産は苦労の始まりだ」と言われ、結婚、妊娠、出産を避けようとする風潮が強まっている。

特に、商売をしている女性たちは、出産や育児に時間を割く余裕がないため、望まぬ妊娠をしてしまったら、中絶手術を選択せざるをえない。しかし、当局は出産奨励策に伴い、避妊や中絶を取り締まるようになった。産婦人科での中絶手術は可能だが、医者たちが当局の処罰を恐れるため、巨額のワイロが必要となる。

そこに目を付けた夏休み中の医大生たちが、「違法の中絶手術」を行うようになった。いわばバイト感覚での「中絶手術」だ。

内部情報筋によると、これまで医大生達のバイトと言えば外国語教師だったが、それ以上に儲かる「中絶手術」を行うケースが増えているという。バイト代は日給7米ドルほどで、1ヶ月働くと100ドル以上、1学期分の生活費、学費を稼ぐことができる。

さらに、違法ではあるが手術の経験にもなる。北朝鮮では、バイトで整形手術、つまり「ヤミの整形手術」をおこなう医者もいるが、医大生たちは夏休みや冬休みに入ると、中絶手術のバイトに勤しむという。もちろん大学から与えられた課題などはそっちのけだ。

【関連記事】
知られざる北朝鮮精神病院の実態
北朝鮮で「民間病院」が大流行

    関連記事