金正恩第一書記は、「国産品を使って輸入に頼るな」という方針を打ち出している。昨年12月には外国産タバコの喫煙を禁止する指示を下したといわれている。ところが、そういった規制も最近になってうやむやになりつつあるようだ。

タバコを吸う金正恩氏/2013年12月28日付労働新聞
タバコを吸う金正恩氏/2013年12月28日付労働新聞

米国の北朝鮮専門サイト「NKニュース」は、中国の貿易資料を基にしながら、北朝鮮の「外国産タバコ禁止令」が守られていない模様だと報じてる。

資料によると、禁止令が出された直後の今年1月から3月までの第1四半期の中国からのタバコ輸入額は1万ドル未満だった。同時期、市場から洋モクが姿を消したという証言もある。

しかし、4月から6月までの第2四半期には13万3000ドルと13倍以上に急増。さらに、6月の中国からのタバコ輸入量は20万箱に達し、前年同月に比べて2倍に増加した。同月には、ドイツからも少量のタバコが輸入されている。

禁止令が、うやむやになったのは統計資料を見る限り確実のようだ。それでは、施行直後にどれほどの実効性があったのだろうか。

様々な見方があるが、北朝鮮専門旅行社大手、コリョツアーズのサイモン・コッカレル代表は「外国産タバコ禁止令」自体を否定する。

「そんな禁止令など聞いたことがない。あったとしてもすぐに効力を失って解除されたのだろう」

「北朝鮮の人々の吸っているタバコの多くが中国からの輸入品で、海外からの持ち込みが禁止されたという話も聞いたことがない」

今年4月に訪朝した外国人観光客も、外国産タバコが持ち込まれていた様子を証言した。

「北朝鮮の人々は、中国の免税店で両手で抱えきれないほどのセブンスターやマルボロを買っていた。帰国の際の税関検査でも、特にタバコの持ち込み制限はないようだった。」

北朝鮮で、日本製のタバコ「セブンスター」は、伝統的に人気が高い銘柄だ。一方、マルボロは、北朝鮮が目の敵にするアメリカを代表するタバコだが、こちらも人気が高い。北朝鮮当局が、いくら日米のタバコを忌み嫌おうと、目が肥えた住民達の欲求を抑え込むことは無理なようだ。

一方、この観光客は、少なくとも平壌では「外国産タバコ禁止令が実行されていたようだ」と語った。

「平壌の住民達は、公共の場所では、概ね北朝鮮産タバコを吸っていた。禁止令のせいかもしれない。しかし、私が日本製のたばこを吸っていると、周囲から『一本欲しい』とねだられた」

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