朝鮮戦争は1950年6月25日に開戦した。北朝鮮では6月25日の開戦日に、大小様々な行事が行われるが、朝鮮戦争に参戦した元兵士を称える「第4回全国老兵大会」もその一つだ。今年の同大会には金正恩第一書記も参席したが、参加者に「サクラ疑惑」が浮上した。

第4回全国老兵大会に参加した老兵と握手する金正恩氏(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)
第4回全国老兵大会に参加した老兵と握手する金正恩氏(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)

老兵大会サクラ疑惑について、北朝鮮内部情報筋は次のように語る。

「朝鮮戦争の頃に20歳前後だったら今は80代。北朝鮮の年寄りがそんなに長生きするわけない」

情報筋によると、中央から「大会に向けて朝鮮戦争の参戦者リストを作成せよ」と指示が下され、各地方機関は昨年6月から調査を始めたが、生存者がほとんどいなかったという。平壌市の大同江(テドンガン)区域のある町内では、わずか1人しか見つからなかった。

しかし、北朝鮮で「朝鮮戦争時の生存者は誰もいませんでした」と正直に報告を上げたら、最悪の場合、処罰されかねない。

現場の担当者は、1960年代から70年代に朝鮮人民軍で勤務していた60~70代を集め、「朝鮮戦争に参戦した老兵」として大会に送り込むという「荒業」を決めたという。さらに、平壌市内の20代、30代の若者を観客として大量動員して、なんとか席を埋め尽くしたという。

ここまで無理をしてまで、金正恩氏が老兵大会を開く理由について韓国の北朝鮮専門家は、次のように分析した。

「金正恩政権が、抗日パルチザンや朝鮮戦争の参戦者を敬う様子を若い世代に見せつけて忠誠心を高めることに目的がある。中でも忠誠心が極端に低い世代を言われている20代や30代がその対象だ」

米国に住む脱北者は、老兵大会について次のように語る。

「体制への忠誠心を育む目的があるから、金正恩政権は今後も無理矢理でも老兵大会を開くだろう。ただし、今回のようにサクラを参加させるには無理があることから、参戦者の子どもたちを参加させるのではないか」

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