「松葉杖組」は、朝早くから市場の入口に立ち、通りがかった人にガムやキャンディを10倍の値段で売りつける。その後は、市場の隅々を周り、同じようにガムやキャンディを押し売りして回る。買おうとしない人を松葉杖で殴りつけたり、店の商品をひっくり返したりするなど、その傍若無人ぶりで住民たちから恐れられている。
本来なら社会的地位が高く、様々な優遇策の恩恵を受けるはずの傷痍軍人たちが、なぜそんなことをするのだろうか。
社会的に疎外
咸鏡北道の別の内部情報筋によると、金日成時代には軍勤務中に事故で怪我をした傷痍軍人たちに対して、様々な優遇策が与えられていたが、金正日時代に入ってから、冷や飯を食わされるようになってしまった。