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このサービスが変わるきっかになったのが、金正恩第一書記の「鶴の一声」だ。金正恩氏は、国家財産が不足していることから、独立採算制を指示。鉄道省も、国家から十分な予算を割り当てられず、運転資金を自ら捻出しなければならなくなった。北朝鮮のスローガンでいうところの「自力更生」だが、鉄道省は、既に実施していた「宅配サービス」の質を上げて、利益を生み出す努力をはじめる。

この宅配サービスについて、咸鏡北道(ハムギョンブクト)に住むある50代男性は次のように語る。

「最近、清津(チョンジン)の駅前に宅配便の受付窓口ができた。そこから荷物を送ると、わずか2日で700キロ離れた平壌(ピョンヤン)まで届いたよ」

驚くべきことに、宅配サービスは、電話で家まで集荷に訪れ、駅に届いた荷物を家まで配達するという。さらに、荷物の「包装」までするなど、それまでの宅配とはサービスの内容も質も、大幅に進化している。荷物の紛失事故も減少し、住民の評判は上々だ。

ただし、サービスの質は大幅に向上したが、その分、料金も大幅に値上がりした。荷物を運ぶのが一般列車ではなく、定刻通りに走る運賃が非常に高いディーゼル列車だからだ。

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