北朝鮮の両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市で女性が崖から飛び降りて自殺を図る事件が起きた。幸い一命は取り留めたが、自殺未遂の動機を巡って、住民の間では怒りの声があがっている。

両江道のデイリーNK内部情報筋によると、事件が起きたのは先月末。市内では、労働党創建70周年を記念する建設事業が行われており、ところどころで歩道や自転車道が通れなくなっている。

女性がとった驚くべき行動

自殺未遂をしたコメ商人の女性は、販売するコメを載せたリアカーを引いて自転車道を進んでいた。ところが工事によって行く手をふさがれたため車道にはみ出た。そこに駆けつけたのが交通指揮隊の保安員(交通警察)だった。 保安員は女性に「交通違反だ」と責め立て賄賂を要求したが、女性は、賄賂の支払いを拒絶。

しかし、保安員は罰金を払うように要求し激しい言い争いとなった。すると女性は、突然、驚くべき行動に出た。

「こんな生活もうイヤっ!死んだほうがマシ!」と叫ぶやいなや、近くの崖から身を投げてしまったのだ。

騒ぎを聞きつけた周りの人々が駆けつけて来て、なんとか一命は取り留めたものの、女性は肋骨と脚の骨を折る重傷を負った。一方、この事態に焦った保安員は、さっさとどこかへと去って行った。

事件当時、故金日成氏の哀悼期間と地方選挙が始まる直前だったことから、保安署には緊張が走ったという。内部情報筋は「ちょっとした一言で幹部のクビが飛ぶこのご時世。賄賂を要求した保安員は、無事では済まされないだろう」と語った。

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