さらに、投票日の正午にはラジオニュースで、早々と選挙結果が伝えられるのだ。その内容とは「100%投票、100%賛成」。有権者をバカにしたような形式だけの選挙が盛り上がるわけがないだろう。そもそも有権者たちは候補の名前すら知らないという。
日本で選挙期間中によく耳にするフレーズといえば「◯◯選挙の投票日です!」「△△をよろしくお願いします!」などだが、北朝鮮では「全員賛成投票せよ!」と超上から目線だ。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は、次のように語る。
「選挙カーがやって来て『全員賛成投票せよ』と騒ぎ立てるのでうるさくてしようがないという。どうせ候補者全員が当選するのに、人々を動員して大騒ぎする理由が全く理解できない」
両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、芸術宣伝隊や子どもたちの宣伝隊が出勤時間、お昼休み、退社時間としつこくやって来て「選挙に行け」と大騒ぎする。ある住民は「うるさくてしょうがない。選挙なんか早く終わればいいのに」と露骨に不満を示す。
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