9日、韓国の法相に就任した金賢雄(キム・ヒョヌン)氏が、就任前の人事聴聞会で「同性婚は許されない、性的少数者のパレードは制限されるべき」と問題発言を行った。今後、波紋を呼ぶことが予想される。

ソウル市内の大通りを埋めたソウル・クィア・パレードの参加者(撮影:島崎ろでぃ)
ソウル市内の大通りを埋めたソウル・クィア・パレードの参加者(撮影:島崎ろでぃ)

先月28日にソウル市内中心部で性的少数者の祭典「ソウル・クィア・パレード」が開催されたが、7日に韓国国会で開かれた人事聴聞会の席で、金法相は次のように述べた。

「条例に基づいた手続きに従いソウル市が許可したものと認識している」 「表現の自由は尊重されるべきだが、秩序の維持と公共の福利のために制限されうる。社会の伝統的な価値と規範にも合わないので、制限を加えるべきだと思う」

これは、与党セヌリ党のノ・チョルレ議員の質問に答えたものだが、その質問の内容とは「(会場となった)ソウル広場はソウル、大韓民国のどまんなかにあるのに、半裸体で道を闊歩したり下着だけ身に付けて性行為を描写するような扇情的なお祭りが開かれた。本人たちはお祭りというが、道徳的価値と倫理が崩れてしまう。どのように対処すべきか」と偏見に満ちたものだった。

また、同性婚については「現在の法制度では認められない」と答えた。

一国の法相が、性的少数者のパレードだけに対して「制限すべき」と述べたことは、韓国政府が性的少数者の表現の自由や権利に制限を加える方針であると受け止められ、国内外からの非難が予想される。

なお、金賢雄氏、ノ・チョルレ氏ともに敬虔なプロテスタント信者として知られている。

大邱クィアパレードを妨害する保守プロテスタントの信者たち(画像:読者提供)
大邱クィアパレードを妨害する保守プロテスタントの信者たち(画像:読者提供)

性的少数者のパレードを巡っては、保守プロテスタント団体を中心として「聖書に反する」「エイズが拡散し医療費が高騰する」「少子化が進む」「伝統的な家族が崩壊する」などの理由で猛反発し、様々な抗議活動が繰り広げられた。

先月28日にはソウルで、今月5日には韓国南部の大邱でクィア・パレードが開催され、それぞれ3万人、1000人が参加した。同時に、数千人のプロテスタント信者が抗議活動を行い、人糞を投げてパレードを妨害する者まで現れたが、両方のパレードとも大盛況に終わった。

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