金日成氏、金正日氏の銅像、壁画と並ぶ北朝鮮の重要施設、永生塔。「偉大なる首領金日成同志は永遠に我々と共にいらっしゃる」などと刻まれた塔だが、これを爆破しようとした一団が逮捕されたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

平壌市内に立てられた永生塔。
平壌市内に立てられた永生塔。

事件が起きたのは7月2日の夜。犯人は平安南道(ピョンアンナムド)の徳川(トクチョン)市に立てられた永生塔に車で乗り付け、ガソリンを撒こうとしたところを逮捕された。この話は、慈江道(チャガンド)の内部情報筋が親しい保安員(警察)から聞いたものだという。

金ファミリーの銅像とは異なり、永生塔は警備体制が敷かれていない場合が多いことを狙っての犯行と思われる。また情報筋は、停電により永生塔を照らす照明が消えていた可能性を示唆した。

この「重大犯罪」を受けて徳川市では、通常の金ファミリーの銅像に加え、モザイク壁画、史蹟館、革命史研究室などに対する特別警戒体制に突入したと咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋が伝えた。

この特別警戒は全国のすべての市、郡に広がっている。

両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市では、7月3日の深夜に党幹部と大学生に対して非常招集命令が下され、金ファミリー関連の施設の警備に動員されたと現地の情報筋が伝えている。

塔、壁画、永生塔などを人間の輪が3重に取り囲むという厳重な警備だが、事情を知らないまま動員された人々や、それを見守る市民らは一様に首を傾げていたという。やがて、徳川市の永生塔爆破未遂事件の噂がものすごい勢いで広まり、住民たちもようやく事情を飲み込んだ。

10月10日の労働党創建70周年記念の建設事業など様々なイベントが続き、住民たちは疲れきっている。

「建設事業でただでさえ忙しいのに、7月16日に地方選挙の特別警戒に加えて、銅像、壁画の特別警戒までやらされている。本当にやってられない」(内部情報筋)

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