咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、同地域の経済特区開発指導局が、中央から「海外からの投資を全く誘致できていない」と叱責されていたという。ちょうどそこに転がり込んできたのが、「サイクリングツアー企画」観光業を活性化し、外貨も稼げて、中央からも褒めてもらえると見込んで、経済特区開発指導局はこの話に飛びついた。
ところが、いざツアーが始まってみると中国人観光客からの評判は散々。
見所といえば、中国人民解放軍が朝鮮戦争に参戦したことを記念する「抗米援助烈士記念碑」「旺載山(ワンジェサン)記念碑」ぐらいしかない。それもイマドキの中国人からすれば、それほど興味を引くような名所でもない。
さらに、穏城郡が手塩にかけて養成した子どもたちの芸術公演も、中身は金正恩氏を褒め称える個人崇拝ばかりで、中国人観光客からはそっぽを向かれてしまった。旅行の楽しみの一つである食事も中国人観光客を満足させられなかった。