北朝鮮では、金日成主席の命日である7月8日前後は、全国で毎年恒例の追悼行事が行われるが、なぜか今年は金日成・正日父子銅像などの施設の警備に住民が動員されているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

新義州市内にある金ファミリーの壁画と永生塔。
新義州市内にある金ファミリーの壁画と永生塔。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように語った。

「今年は、なぜか銅像や永生塔の24時間警備が行われ、多くの住民が動員されている。当局は『警戒心を高めなければならない』と語っているが、どうも、当偶像物が爆破されたりするようなテロを警戒しているようだ。また『哀悼期間なので生活態度を改めよ』という指示も出している」(※永生塔=「偉大なる首領金日成同志は永遠に我々とともにいらっしゃる」と刻まれた塔)

こうした当局の指示に、住民たちは露骨に不満の表情を浮かべている。ただでさえ、労働党創建70週年を迎えて、恵山(ヘサン)市では金ファミリーの銅像建設や都市整備事業などが行われており、多くの住民が動員されており、それに加えて「銅像の警備までしろ」と言われたからだ。

なかには、サボタージュする住民も多いが、そうなると上層部から「警備が疎かになっている」と責め立てられて、下手をするとクビが飛ぶかもしれないことから、各企業や機関の担当者は頭を抱えているという。

警備の現場担当者は、住民が指示通り警備しているのかを密かに抜き打ちチェックを行っているが、これがまたトラブルのもとだ。

現場担当者は、警備している住民が居眠りしているのを見つけ咎めたところ、当の本人は逆上して「俺を監視するのか!」と抗議。すると今度は、現場担当者が逆ギレする。

「あんたのせいで俺が殺されたらどうするんだ!」

また、住民たちは次のように不満を述べている。

「あの方たち(※金日成一族)は死んでも守ってもらえるが、我々は生きているのにまともに守ってもらえない」

「銅像につぎ込まれるカネを人民につぎ込んでくれたら生活が楽になるのに」

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