通常、市場で店を開くには日々の市場管理税に加えて、中国人民元で2000元から5000元(約4万~10万円)の権利金が必要になる。5000元といえば北朝鮮で4人家族が1年間暮らせる大金だ。
しかし、市場外の露店からは管理税や権利金が地方政府に入ってこない。北朝鮮には「我が国には税金がない」という建前があるだけに、税収が入ってこければ、地方政府は立ちゆかなくなる。
さらに、投資をして市場内で商売している商人たちからも「不公平だ」との声が上がっていた。
また、金正恩氏自身の「見栄」もあるようだ。金正恩氏は2012年5月に「市場を現代化して国の顔にしなければならない」として市場のグレードアップを指示したが、平壌から地方の村に至るまで露店が溢れている現状は変わらない。