その光景が外国人観光客の目に触れることを嫌がった金正恩氏が、取り締まり強化を指示した。もちろん、市場も露店も貴重な観光資源のはずだが、見栄えを気にする金正恩氏には、その辺りの事情が理解出来ないようだ。
ただし、いくら当局が取締を強化しても、「根絶は無理だ」と情報筋は指摘する。
露天に反して、当局が認可した市場の規制は金正恩氏の方針もあって、じゃっかん緩和されているが、自転車、オートバイ、中古家電など売買禁止の商品も多い。こうした商品は、市場外で売買せざるを得ないからだ。
さらに、露店で食料品、雑貨、野菜など細々としたものを販売する住民は、北朝鮮で最も困窮した住民層だ。最も貧しい住民から生活手段を奪おうすれば、反発を食らうことは火を見るより明らかだ。