日朝交渉の今後の見通しについて、参議院議員の有田芳生氏は次のように述べた。
「日本政府は、いつまでも報告を受け取らないわけにはいかない。しかし、北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創立70周年に合わせて、ミサイルを発射すれば、日本政府は厳しい対応を取らざるをえなくなり、日朝交渉が途絶えることも考えられる。そうなれば被害者にとっても家族にとっても「最後の機会」が失われる」
最後の機会を失わないためにも、日本政府はこれまでの対北朝鮮政策を改めて検証し、今後に向けて立て直す必要があるのではないだろうか。
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高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。