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北朝鮮は今、あらゆる手段をもってこうした流れに抗っている。日本との交渉を続けていれば、国連などで「国内にいる日本人の人権を尊重し、実態調査を鋭意進めている」との言い訳が可能だ。また、やはり人権問題に熱心でない一部の国が、北朝鮮の肩を持ちやすくもなる。

こうした状況は、人権問題こそが金正恩体制の最大の弱点であることを物語ってもいる。人権問題に触れることなく、北朝鮮に圧迫を加えることはできないのだ。

しかし、人権問題に対する追及を強め、それを北朝鮮の体制転換につなげていくためには、予算面でも情報面でも人材面でも現在よりはるかに大きな努力が必要になる。

そして、それは一国の努力をもって出来ることではなく、日本には米韓が、韓国には日米が、米国には日韓の協力が欠かせない。三国は結束し、従来とは質的に異なる次元の対北包囲網を構築すべきだろう。

(ジャーナリスト・李策)