北朝鮮の外交官や貿易イルクン(職員)などの海外駐在員たちが、金正恩第一書記の恐怖政治に不安を感じて脱北する事例が増えている。

脱北行為は、時には連座制が適用され、一族郎党が収容所送りになったり山奥へ追放されるケースがあるが、高級幹部や外交官に対する厳罰措置が甘くなっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

「身内や親戚に脱北者がいる高級幹部や外交官の家族でも、普通に職場に通っており、労働党からの除籍や職場での降格などもなくなった」

こう語るのは、平壌在住の内部情報筋だ。北朝鮮当局は、連座制によって平壌市民の民心が悪化することを警戒して、脱北行為に対してじゃっかん甘くしているという。ただし、全てに甘くしているわけではないようだ。

「一般住民の場合、家族の脱北行為が発覚すると保衛部(秘密警察)と保安部(警察)が自宅にやって来て、大声で騒ぎ立てたり暴力を振るったりする。その後も厳しい監視のもとに置かれ、居場所が一日でもわからなくなったら、管轄の人民班長や企業所の幹部が総和(総括)で厳しく追求される」(内部情報筋)

つまり、大目に見るのは、平壌や地方の高級幹部のみ。一般住民よりも幹部たちの忠誠心をなんとか維持する狙いがあると見られる。また、高級幹部たちも表面上は、以前の生活と変わらないとはいえ、厳しい監視のもとに置かれていることは言うまでもない。

電話はすべて盗聴され、日々の行動もすべて監視されている。情報筋は「元帥様(金正恩氏)の温情で、脱北者がいる家族でも、平常な生活をしていると言われているが、いつなんどき追放、処刑されるかわからない」と語った。

さらに保衛部は、脱北者の家族に対して「祖国に帰ってきたら許してやるから家族を帰国させろ」と懐柔と脅迫を行っている。

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