2008年末に北朝鮮でサービスを開始したエジプト・オラスコム系の携帯電話会社、「コリョリンク」は2013年5月には、加入者が200万人を超え大きく成長したが、北朝鮮事業から撤退する可能性が出てきたと米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が伝えている。

中国丹東にある北朝鮮向け携帯電話専門店
中国丹東にある北朝鮮向け携帯電話専門店

オラスコムが発表した会計報告書によると、「コリョリンク」の現金残高の伸びが低下。北朝鮮当局の規制で利益を外貨にして国外に持ち出すことができず、北朝鮮国内で塩漬け状態になっている。

報告書によると昨年末の残高は5億4800万ドルだったのが、3月末には5億3900万ドルに減少。しかし、これは1ドル100ウォンの公式レートで計算した推測値で、闇レートの1ドル8000~8200ウォンで計算するとなるとオラスコムは大損をすることになる。しかし北朝鮮政府が公式レートで計算してくれるという保証もない。

こうした事情から会計報告書は、「北朝鮮には自由な外為市場がないうえ、利益をエジプトの本社に持ち出せないことが、ビジネス上の大きな障害となっている」と指摘。また、北朝鮮政府が運営する別の携帯電話会社「強盛ネット網」との競争でコリョリンクの環境が苦しいことも付け加えた。

オラスコムは、これらの問題解決のために北朝鮮政府と引き続き協議を行っており、「コリョリンク」と「強盛ネット網」との合併も視野に入れている。

匿名の韓国の北朝鮮経済専門家は、「オラスコムは、北朝鮮国内の5億ドルの利益をエジプト本社に送るため、北朝鮮当局と交渉を繰り返してきたが、失敗したようだ。合併の形で北朝鮮に持ち株を売り払い北朝鮮から撤退する可能性が高い」と分析した。

また、別の北朝鮮通信専門家は、「北朝鮮政府はオラスコムの利益国外持ち出しを許可せず、北朝鮮に進出して損失を被った海外企業の前轍を踏まされることになるだろう」と語った。

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