脱北者に対する締め付けを強化している北朝鮮が、小学生まで監視に動員しているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮国境警備隊の哨所 ©Roman Harak
北朝鮮国境警備隊の哨所 (画像:Roman Harak)

「保衛部(秘密警察)が、脱北を防ぐために、あらゆる住民を利用している。女性同盟員や人民班班長(いずれも地域の末端国家的組織)はもちろん、一般の商売人や日雇い労働者、小学生まで動員して監視させている」

こう語るのは、両江道(リャンガンド)の内部情報筋だ。

脱北者がいる家庭は、北朝鮮当局から「特別監視対象」に指定され、女性同盟員や人民班の班長が監視を担当する。ただし、その家庭も自分たちが監視対象になっていることは重々承知。常に警戒して、なかなかしっぽをつかませない。

そこで、秘密警察は脱北者家庭を安心させるため、子どもまで動員しながら監視する手口を編み出したのだ。なかには、この手口を更に悪用して、個人的な恨みを晴らそうとする保衛部員もいるという。

「韓国で働く脱北者がいる家庭は、仕送りでそれなりに裕福な生活をしている。今の北朝鮮では、平壌や中央はともかく末端の国家機関員、もちろん保衛部といえでも『権力あってもカネはなし』という有様だ。裕福な家庭を逆恨みして、罪をかぶせるネタを探そうと子どもの友人を協力者に仕立てあげている」(内部情報筋)

しかし、秘密警察より脱北者家族の方が、一枚も二枚も上だ。

「脱北者家庭に、『脱北した家族の消息を知りたい』と聞いてくる人や行商人が訪れるが、すべて監視者だとバレている。どの家庭も、適当にあしらって帰す」(内部情報筋)

「上に政策あれば、下に対策あり」という北朝鮮の社会体制で、長年暮らしてきた北朝鮮の住民は、当局がどんな手法を編み出そうと、スルリとかわす生活の知恵が身についている。こうして、したたかに生き抜く住民たちについて情報筋は、笑いながら語った。

「保衛部のおかげで、みんな賢くなった」

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