中朝国境に中国人民解放軍が、駐屯を始めたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報道した。最近、多発している脱北兵士による事件への対応に加え、朝鮮半島有事への対応も視野に入れているのではないかという憶測を読んでいる。

中朝国境を流れる豆満江
中朝国境を流れる豆満江

中国吉林省の情報筋がRFAに次のように語った。

「国境警備隊ぐらいしかいなかった中朝国境の村に、1ヶ月前から人民解放軍の正規部隊がやってきた。しっかりした建物を建てていることからして、一時的な駐屯ではないようだ」

人民解放軍は、中国の正規軍ということもあり、これまで中朝国境には駐屯していなかった。しかし、中朝国境では昨年末から、北朝鮮脱北兵士による殺人事件が起こるなど、治安が悪化したために配置されたと見られるが、それだけではないとRFAは伝える。

RFAは、今後も駐屯を続けるとするなら、単なる治安の問題ではなく、北朝鮮国内での有事への対応を視野に入れているのではないかと推測する。

有事の際、大量に発生すると予想される北朝鮮難民を国境で食い止め、さらに、北朝鮮国内に素早く展開するために配置されたということだ。人民解放軍が、中朝国境の丹東から通化を結ぶ高速道路の建設の6割以上を担っていることも一つの根拠となる。

こうした人民解放軍の配置に、北朝鮮側も敏感に反応している。これまで、脱北行為は違法ではあるもの、北朝鮮側の国境警備隊は賄賂、小遣い稼ぎ狙いで、隠れて幇助してきた。しかし、中国側が厳しくなると今までのようにできなくなる。

「脱北する時に、朝鮮人民軍兵士の手助けが欠かせないが、中国人民解放軍が駐屯したという噂が立って、兵士たちが手助けをためらっている」(脱北ブローカー)

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