北朝鮮の金正恩氏が提唱する「体育強国」「体育の大衆化」。それに従い、北朝鮮では首都・平壌でも地方でもサッカーの試合が連日行われており、観客を集めるために商品抽選イベントが行われている。

ところが、このイベント自体が「イカサマ」そのものだという。

1989年「世界青年学生祝典」のために、北朝鮮が無理して作った綾羅島メーデー・スタジアム
1989年「世界青年学生祝典」のために、北朝鮮が無理しメーデー・スタジアム

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、各スタジアムでは試合の数日前から様々な電化製品が当たる抽選イベントが行われている。

女性職員たちがスタジアムの周辺から外の通りに出て、抽選チケットの宣伝に当たっている。チケットは1枚3000ウォンから1万ウォン(約45~150円)。抽選に当たるとチケット価格の10倍の商品がもらえるとのふれこみだ。商品も実に多彩である。

商品は、テレビ、録音機、扇風機などの電化製品から自転車、服地、アンダーウェア、ボールペン、ノートなどの日用雑貨に至るまで種類も豊富だ。住民たちはあわよくばテレビや自転車を当てたいと思ってチケットを何回も買うが、なかなか当たらないという。

ところがこのイベント、その中身は「詐欺に近い」と言われる。

情報筋によると、抽選所の所長は中国製の安物を仕入れてきてあたかも豪華賞品であるかのごとく宣伝して当選者に渡し、差額を所長と職員で山分けしているという。

試合が終わるとスタジアムで抽選イベントを行うが、ぐるぐる回る数字から4つを選んで当選番号を決める。

当選者には引換券が渡される。その引換券を抽選所に持って行くと商品と引き換えてくれるが、安物を渡されたり全く別のものを渡されたりすることもあるという。

サッカーシーズンの2月から10月まで、抽選所所長や道の労働党、人民委員会の体育担当幹部はこのような手法でカネを着服し笑いが止まらないようだ。

住民たちがこのようなインチキに気付かないはずがない。「表向きは抽選イベントだけど、結局は幹部たちの金稼ぎ。労働も投資もせずにじっとしているだけで濡れ手に粟だ」と非難の声が上がっている。

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