米国は2006年以後、北朝鮮を逃れて海外へ出た「脱北者」を受け入れており、その数は181人に達する。一方、カナダの脱北者受け入れ数は、急減していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

カナダの国会議事堂(画像:West Annex News)
カナダの国会議事堂(画像:West Annex News)

米国は、2006年の北朝鮮人権法成立に伴い脱北者を受け入れはじめた。米国務省の人口難民移住局が最近更新した難民入国報告書によると、先月2人の脱北者が難民資格で米国に入国。1月に脱北者1名が入国して以降4ヶ月ぶりになり、米国の脱北者数は181人となった。

これまでに受け入れた数を見ると、2007年度に22人、2008年度に37人、2009年度には25人。2010年度には8人に減少したが、2011年度には23人に増大。2014年度には8人に減少した。

減少の背景には、中朝国境の警備強化に伴う脱北費用の高騰、北朝鮮当局の脱北者厳罰化などがあると思われる。

それでも米国が毎年平均して約20人の脱北者を受け入れる一方で、カナダの脱北者受け入れ数は、急減している。

カナダの移民難民局は、RFAの取材に対して「2015年第1四半期に受け入れた脱北者の数はゼロ」と明らかにした。難民申請は44件で、このうち18件は棄却、残りの26件は申請者自らが申請を取り下げたという。

カナダは、2014年度に脱北者が申請した618件の難民申請を受け付けたが、難民認定したのはわずか1人。こうした状況についてトロント在住の脱北者チャン・ソヨンさんは次のように語った。

「カナダ政府と韓国政府が指紋共有システムを導入して以降、トロント在住の脱北者が急減した。一度は入国しても再審査の対象となるケースもある。対象になってしまえば、いい結果が出ないことは明白で、カナダでの定住をあきらめて出国する脱北者も多い」

カナダ政府は、一度難民として受け入れた脱北者のなかに「偽装脱北者」が紛れ込んでいると見て、再審査を進めている。結果次第では国外追放に処されるという。

カナダは2007人に1人の脱北者を受け入れて以降、2012年には222人と受け入れ最多数を記録。合計472人の脱北者を難民認定して入国を認めている。

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