昨年7月、ロシアの潜水艦が漁業中の北朝鮮船舶と衝突し、大勢の犠牲者を出す事故が発生した。しかし、なぜか事故について公にされていない。

旧ソ連海軍の潜水艦「U-434」(画像:O de Andrade)
旧ソ連海軍の潜水艦「U-434」(本文とは関係ありません)(画像:O de Andrade)


米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、事故が起きたのは昨年7月某日の午後11時頃、咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)市の沖合だった。

北朝鮮の漁船(本文とは関係ありません)
北朝鮮の漁船(本文とは関係ありません)

操業を行っていた北朝鮮「清津(チョンジン)水産協同組合」所属のイカ釣り漁船数隻と、監視業務を行っていた朝鮮人民軍海軍の警備艇679号が、水面下から突然浮上したロシア海軍の大型潜水艦と衝突し、全隻が沈没した。

突然の急浮上の理由は、航行中に捨てられた網に潜水艦が引っかかったためと見られている。

漁船には14人、警備艇には32人が乗船していた。海に投げ出された船員は、ロシア潜水艦に救助されたが、漁民8人と兵士11人の計19人が死亡。しかし、これだけの大事故に関わらず、北朝鮮当局は事故の隠蔽に躍起になっている。RFAの情報筋は語る。

「北朝鮮当局は事故を隠すために、生存者や犠牲者家族を清津から北に100キロ離れた羅先(ラソン)に移住させてしまった」

警備艇に乗船していた軍人たちも、全員が別々の部隊に配属されたという。こうした「事故の隠蔽」について清津の情報筋は、次にように語った。

「清津市内でも事故を知っているのは幹部たちや一部のみ。ほとんどの住民は知らない。中央は、中朝関係が悪化するなかロシアと関係を深めようしているが、事故で騒ぎが大きくなり原油や食糧の支援がなくなることを恐れて隠蔽を図ったようだ」

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