処刑された北朝鮮の張成沢氏の側近中の側近で、既に処刑されたものと思われていた女性が最近釈放されたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

特別軍事裁判に連行される張成沢氏。
特別軍事裁判に連行される張成沢氏。/2013年12月13日付労働新聞より

この女性は清津(チョンジン)市にある「チョルボン会社」の元社長、リ・クムオク氏。張成沢氏処刑直前の2013年11月に国家保衛部に連行されて以来、消息不明となっていた。

この「チョルボン会社」は張成沢氏の影響下にあった外貨稼ぎ会社で、清津と羅先(ラソン)経済特区で活発に事業を展開してきた。リ氏は「ビジネス用」との名目で羅先に別荘を所有、張成沢氏と会うときはこの別荘を利用していたため、二人は愛人関係にあると噂されてきた。

そんなリ氏が4月末、突然生きて帰って来た。これには街中の人々が驚いたという。彼女は現在、朝鮮人民軍総政治局の外貨稼ぎ機関で中国の貿易業者とのビジネスを進めているという。

元々は羅先市外貨稼ぎ事業所の所長を務めていたリ氏。張成沢氏の外貨稼ぎ事業で核心的な役割を担い、長年培ってきたビジネスの手腕が買われて復帰したことは間違いないが、国家保衛部の拷問から、なぜ一人だけ生きて帰ってこれたのかは疑問だと情報筋は語った。

別の情報筋も、リ氏の外貨稼ぎの能力が優れていたことが彼女を助けたのだろうと語った。また、外貨不足に苦しむ金正恩政権が、彼女の能力を喉から手が出るほど欲しがっていたのだろうとも語った。

さらに情報筋は「リ氏とつきあいがあった人々や外貨稼ぎ機関は、彼女の復帰を喜んでいる、彼女が清津と羅先の経済に活気を吹き込んでくれることを期待している」とリ氏への期待が膨らむ現地の雰囲気を伝えた。

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