北朝鮮の警察にあたる人民保安部が、交通違反車両を厳しく取り締まるとの布告を出し、4月25日までに「右ハンドル車を廃車にせよ」との指示を出したが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、相変わらず町中を普通に走っているという。

平壌市内の高麗ホテル前を走る、かつて阪神バスで使用されていた車両/西船junctionどっと混む提供
平壌市内の高麗ホテル前を走る、かつて阪神バスで使用されていた車両/西船junctionどっと混む提供

右ハンドルの車の大半は、日本製の中古車両だが、乗用車、トラック、バスなどは、平壌市内の通りを疾走しており、「右ハンドル車禁止」指示に効果がなかったことが伺える。

北朝鮮の「大成貿易総局」「綾羅(ルンラ)総局」などの中央党の外貨稼ぎ機関、平安北道の外貨稼ぎ会社が所有している冷凍トラックやコンテナトラックも中朝国境を往来している。

どうやら一部の右ハンドル車両だけが見せしめで没収されたようだ。

平壌市内の高麗ホテル前を走る、元大阪市営バスの車両(画像:読者提供)
平壌市内の高麗ホテル前を走る、元大阪市営バスの車両(画像:読者提供)

最初から実現不可能だった?

そもそもなぜ「右ハンドル車」を廃車させようとしたのか。

「右ハンドル車のせいで交通事故が頻発しているから廃車にすべき」との提案書を出したのは人民保安部だ。この提案は受け入れられたが、右ハンドル車を多数所有している「中央党39号室外貨稼ぎ機関」が、打撃を受けると、さらに上部に泣きついた結果、指示があやふやになったようだ。

一方、40代の南浦市民によると「右ハンドル廃車提案」の裏には人民保安部の「ある意図」が隠されていたという。

人民保安部は、個人所有の未登録車両を洗い出して没収し、煕川(ヒチョン)水力発電所などの建設現場に投入したり、一部は密かに売り飛ばしていうのだ。南浦市の交通保安課は、4万ドルもする25トンの大型トラックを没収したが、2万3000ドルで売り飛ばす事件も起きている。

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