乗務員のマカダミアナッツの出し方に激怒して離陸直前の航空機を引き返させたとして、航空保安法違反の罪などに問われていた大韓航空前副社長、趙顕娥(チョ・ヒョンア)被告に対してソウル高裁は22日、懲役10ヶ月・執行猶予2年の判決を言い渡した。
1審では懲役1年の実刑判決が下っていた。検察側は控訴審で、1審と同じく懲役3年を求刑しいたが、高裁は被告側の「離陸前は航路変更に当たらない」との主張を採用。「航路変更罪」については無罪とした。
今回の執行猶予判決により趙被告は釈放されることになった。
趙被告を知る在日大韓民国民団関係者の男性は、「6月の日韓国交正常化50周年を目前に判決が日本でもニュースになるのは、趙氏らKALのオーナー一族にとって皮肉なことだ。韓国の財閥の中であれほど、日本と縁の深い家系もないのに……」と話す。
KALを傘下に擁する物流中心のコングロマリット、韓進(ハンジン)グループは、趙被告の祖父である趙重勲(チョ・ジュンフン)氏が設立。田中角栄元首相の“刎頚の友”として知られる国際興業グループ創業者・小佐野賢治氏の手厚い支援を受けながら、ベトナム戦争特需をつかむなどして急成長した歴史がある。
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