北朝鮮当局が、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)前人民武力部部長の処刑理由について「金正恩氏の指導と党の思想に不満を抱いたからだ」と説明していることが、デイリーNKの取材で判明した。

思想教育を目的とした講演会で配布される講演提綱の例
思想教育を目的とした講演会で配布される講演提綱の例

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように語った。

「今月16日に労働党の幹部を対象にした「幹部講演会」が行われ、玄永哲は党の思想と最高指導者(金正恩氏)の指導に不満を抱き、唯一指導体制を疑ったため処刑されたと伝えられ、講演提綱(内容をまとめた資料)が配布された」

講演会では、玄永哲氏以外にも5人が粛清されたと伝えられた。

講演提綱には名前は記されていないが、玄永哲氏に関連する人物と見られ、繋がりのない幹部たちでさえも言動に神経を遣っている。

一般住民たち「高幹部を処刑するということは政治がうまく行っていない証拠」「国の情勢がただならぬ状態のようだ」と不安がっているという。

金正日体制時代は、非社会主義的行為や脱北行為で、一般住民が処罰の対象になることが多かった反面、金正恩体制に入って幹部が処罰の対象になっている。

「幹部連中を厳しく処罰するということは(金正恩氏が)完全に掌握できていないからじゃないかな。とにかく指導力には疑問だ」(内部情報筋)

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