連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/外事警察編(2)

戦後から冷戦が終結するまで、外事警察にとって最大の任務は、国内で暗躍するソ連スパイや日本人協力者をあぶり出し、時には微罪や別件をもって事件化することで、日本を東側陣営による「間接侵略」から防衛することだった。

そんな経緯もあり、往年の外事捜査員の間には「本当に国を守ってきたのは自衛隊じゃない。俺たち外事警察だ」との強烈なエリート意識がある。

そんなカウンター・インテリジェンス(防諜)の最前線で戦ってきた外事警察が、とくに北朝鮮担当部門において、国内向けの「政治警察」と化してきたのは前回述べたとおりだ。

「共産党や極左セクトの担当者たちを『超ドメ』と呼んで小馬鹿にしていたのも、今は昔です」

警視庁公安部外事2課のOBは、こう言って苦笑する。「超ドメ」とは「超ドメスティック」の略で、国内にしか目が向いていない、ということを揶揄する隠語だ。OBは続けて言う。

「外事警察も、今や完全に官邸の北朝鮮外交のコマですよ」

朝鮮総連は「主要な敵」

警察庁警備局外事情報部が統括する全国の東アジア(中国・北朝鮮)担当の外事警察の中では、150名の人員を擁する警視庁公安部外事2課が最大勢力だ。