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「今年は、それなりに雨が降ったので西頭水(ソドゥス)とプリョンの水力発電所がフル稼働しているが、工場、企業所に供給される電力は減少している。3月末から稼働に入る予定だった金策製鉄所の電気炉はまだ稼働できていない」

金策製鉄所の電気炉は、80トンクラスの溶鉱炉だ。北朝鮮はこの製鉄所で無煙炭を燃料にして「チュチェ鉄」を生産していると宣伝してきたが、失敗に終わり、電気炉に交換したばかりだという。

また、今の時期は農業にも電気が必要なことから、製鉄所まで電力が回らないと両江道(リャンガンド)の内部情報筋は伝えた。

「恵山(ヘサン)の基礎食品工場、靴工場、編み物工場は電力難で供給が中断された。まともに電力が供給されているのは恵山鋼鉄工場だけだ」

電力が供給されているという「恵山鋼鉄工場」。実は、ここでは、金日成氏、正日氏の銅像の建設や、鴨緑江周辺のマンション建設に必要な鉄鋼を生産している。やはり、国家による宣伝事業が優先されていたわけだ。

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