今年に入ってから15人の高級幹部を処刑するなど、無慈悲な指導者ぶりを見せつけている金正恩氏に対して北朝鮮住民たちは苦々しい思いで見ている。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、高級幹部の処刑は口コミで全国に広がり、街はしばらく殺伐とした雰囲気に包まれた。

北朝鮮メディアに出てくる金正恩氏は、孤児を抱き上げてにこやかに笑うなど慈悲深い父親の姿を演出しているが、住民の間では「ニコニコしながら人を殺す恐ろしい男」と言われているようだ。

「将軍様(金正日氏)は、冷徹で人情味のない独裁者そのものだったが、元帥様(金正恩氏)はニコニコしながら裏で恐ろしいことする、首領様(金日成氏)と同じだ」(情報筋)

かつて、金日成氏は「重工業より人民の生活ために軽工業を重視すべき」と進言した経済官僚を粛清したが、これと同じだと情報筋は指摘。この粛清事件は、北朝鮮でもよく知られている。

中国丹東在住の北朝鮮貿易関係者も金正恩氏の粛清方法を厳しく批判した。

「銀河水芸術団の総監督とメンバーの公開処刑は、1970年代に数百人の芸術家や高級幹部を一か所に集めて公開銃殺させた「ウ・イニ事件」と似ている。政治の土台をより強固なものにするために、罪をなすりつけて粛清する習性は遺伝するようだ」

この貿易関係者によると、張成沢と彼に近い幹部たちが大量に処刑されて以後、幹部に睨まれないよう賄賂を渡すが、こうした行為に対する取締を強化せよという指示もあり、みんなが戦々恐々としていると伝えた。

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