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北朝鮮では、工場や企業所で体制――すなわち「お上に」に従順で世事に疎く、受けた指示通りに懸命に働く人を「熱誠党員」と呼んで揶揄してきたが、それが最近では「従北」という呼びかたに変わった。また、「金正恩大好き人間」をバカにする言葉としても使われている。

さらには、秘密警察である国家安全保衛部のスパイをバカにする際にも使われる。貿易関係者たちが懸命に働いている傍らで、彼らの思想動向を監視して保衛部に報告しているスパイに対し、「従北してるのかよ」などと言って揶揄するのだ。

こうした言い方をすれば、「従北」→「北に従う」→「元帥様に従う」という本来の意味が隠れみのになるため、「体制を批判した」と突っ込まれる余地がないので便利なのだという。

「最高尊厳」は金正恩氏ではなく金持ちのこと

他方、市場で商品を独占するトンジュ(金主)を「最高尊厳」と呼ぶのも流行っている。世の中で一番大事なおカネをたくさん持っている、という意味合いだ。