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 そうやって、ネトウヨ的な関心を引き付けるためのコピーやタイトルが大量に考え出され、社会の雰囲気を作って来た面はたしかにある。ある在日の男性と付き合い始めたばかりのごくフツーの日本人の彼女が、「日本は韓国人に支配されてるって本気で信じてた」と言っていたくらいだから(笑)。

野間 そういったものが氾濫していることを考えると、表現規制を控えている場合やないと思うんですよ。やっぱり、規制すべき表現は厳然と存在している。ヘイト表現がそうやし、ロリコン漫画も規制すべきです。こういう主張をするとアニオタ的な連中が「表現の自由」とか「言論の自由」とかを持ち出して批判してくるけど、それやったら彼らがNHKやテレ朝を呼びつる自民党を叩くのかと言ったら、そんなの見たことないですから。オタクの言っている「言論の自由」とはそんなもんなんです。ロリコン漫画さえ見れたら満足。それは単に彼らの性欲の問題であって、言論や表現の自由とは関係ありませんから。

 彼らにとっては性欲だし、出版社にとっては売上が第一なんです。それ以上でも以下でもない。ほとんどの場合、ヘイト本を出す出版社や編集者に悪意はありません。私はフリーランサーとしてはけっこう多忙な方だったんですが、嫌韓企画みたいなものを拒んでいたら、すっかり仕事が減っちゃいました(笑)。と言っても、別に雑誌からホサレているわけではなくて、編集者としても私に発注できる仕事がないんです。

 李さんが得意な経済事件とか組織犯罪みたいなネタは、手間がかかる割に売上につながらないみたいですからね。訴訟リスクも高いから、雑誌の部数が減っている状況では敬遠されてしまう。週刊誌の専属記者の中にもそういうネタで勝負したがっている人はいるんですけどね。

 話をもとに戻すと、野間さんの言う通り、ある表現や言論について「規制しろ」と主張するのも言論の自由のうちなんだから、そういった声がもっとあっても良いはずです。でもなぜかそうならず、ヘイト表現が蔓延してきた。野間さんの考えでは、どうしてこうなってしまったと思いますか。(つづく

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