そんな風に、「売上に困ったら韓国をイジれ」ぐらいな感覚が、週刊誌には確実にあるわけですよ。ソチ冬季五輪のときには別の週刊誌から、「韓国メディアが日本の選手をどんな風にクサしているか、できるだけ情報を集めてくれ」という話がきました。しかしそもそも、韓国には日本の総合週刊誌みたいな媒体がないから、そんな情報探したって出てこない。

ヘイトデモの現場で「主権回復を目指す会」の西村修平氏と対峙する野間易通氏 (撮影:島崎ろでぃ)
行動する保守の「生みの親」とされる西村修平氏(白シャツ)と対峙する野間易通氏 (撮影:島崎ろでぃ)

 日本の雑誌関係者は、韓国のメディア事情についてほとんどわかっていませんからね。向こうの書店でも日本と同じようにヘイト本が平積みされ、電車内は反日的な雑誌の中吊り広告がいっぱいぶら下がっていると思っている。実際には、そんなのぜんぜんありませんから。

野間 まったくない?

 ないです。韓国にももちろん、日本に対して根拠のない誹謗中傷をする人はいます。でも、いわゆる「反日嫌韓」の風潮を増幅する上でメディアが果たしている役割は、日本に比べ韓国はずっと小さい。というか、大型書店のノンフィクション売り場に行っても日本に関する本は肯定的なものも否定的なものもあまりない。宮部みゆきさんとか東野圭吾さんとかの小説はたくさん見かけるけれども。

野間 中吊り広告の話が出ましたが、あれの影響はかなり大きいですよ。週刊誌の売上は下がる一方でも、「韓国はトンデモナイ国だ」みたいな中吊り広告が1週間も山手線にぶら下がっていたら、延べ数にして億単位の人たちがそれを見ることになる。見出しで煽って内容は大したことない企画が多いとしても、大多数の人は週刊誌を手にも取らへんやろうから、広告から受けた印象だけが残ってしまう。

関心事は「性欲」と「売上」

 ちなみに、週刊誌は広告と記事の見出し(タイトル)から校了して、記事本文は後で仕上げるものなんです。だからいきおい、編集長は次号でどんな広告を打つかをまず考えて、それに合った内容の原稿を記者たちに要求する。編集部によっては、記事の筋書きをあらかじめ決めて、その流れに合わせて識者や関係者のコメントを集めている。記者たちもよく「これじゃ東京地検特捜部の調書作りと同じだ」とボヤいてます。

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