慢性的な食料難が続く北朝鮮では、この時期、食料価格が上昇する傾向にある。しかし、一部地域ではコメ価格が下落しているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮の地方都市の市場
北朝鮮の地方都市の市場

韓国は既に過去のものとなっているが、朝鮮半島では前年に収穫した穀物が底をついて食料不足になる今の時期、「春窮期(ポリコゲ)」といい、コメ価格が上がる。さらに、最近では、国境統制が強化され全体的に流通が停滞。密輸も困難になっていることから、コメ価格の高騰が懸念されていた。

しかし、こうした予想と違って下落傾向にあるという。咸鏡北道(ハムギョンブクト)や両江道(リャンガンド)など国境地帯では大幅に下がっている。

下落の最大要因は、ロシアから大量のコメが輸入されているからだと情報筋は伝える。

穀物を満載した貨物船到着

ロシアからの穀物輸入について、咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋は次のように語った。

「コメや小麦を満載した1万トン級の貨物船が清津(チョンジン)や羅津(ラジン)港に入ってきている。輸入された穀物は軍隊に送られるが、すぐに横流しされて市場で売られる」

この情報筋によると、中朝国境にある穏城(オンソン)ではコメ1キロが3月初めは5000ウォンだったのが最近は4200ウォンまで下がった。両江道の別の内部情報筋によると、恵山(ヘサン)の市場ではコメ価格が下がり続けついには4000ウォンまで下がったという。

「今年は中国との友好よりもロシアとの友好が強調されていて交流も進んでいる。また、北朝鮮の労働者が多数ロシアに派遣されているが、逆にロシアからガソリンや穀物が入ってきている」(内部情報筋)

内陸部のコメ価格には変動なし

しかし、この二つの地域以外でのコメ価格の変動は、今のところ確認されていない。

デイリーNKの最近の調査によると、4月中旬の平壌と新義州(シニジュ)の市場でのコメ価格は1キロ5000ウォンで先月と変わっていない。国境地域から入り始めたコメが内陸に運搬されるのに時間がかかっていることが原因と見られる。

「北朝鮮当局も、なんとかコメを運ぼうとしているが、そもそもエネルギー不足のため難しい。行商人の異動を当局が統制するのも原因の一つだが、時間がたてば、内陸部でも下落しはじめるだろう」(内部情報筋)